【感動力】貧困層と僕ら
「ここらの貧困地区の子は支援を受けることに慣れて、目が肥えてしまっているから..」
メイクのワークショップをマクタン島で行った時に、そこでずっと住んで日本食レストランを経営している方に言われた一言だった。ボランティア活動とか国際協力とかに興味がなかったからこそ、その時の僕には刺激が強すぎた。どんな人間でも慣れるものは慣れるし、欲が張ることは同じなのだろう。
メイクのワークショップに来た子たちは目が肥えていない子が多かったように思える。純粋無垢で素直な女の子たちだった。でもこの子たちと同じ年齢でも、支援に慣れている人もいればもっと純粋な子もいると思うと、ぞっとした。
側からみると、支援されても初心を忘れずに感謝だ!とか、もっとありがたみを感じた方が良い!とか簡単に言えるわけだけど、実はそんなことを思いつつも彼らよりも目が肥えて初心を忘れていたのは自分たちであったことに気がついた。それは企画がうまくいき始めた頃だったと思う。
「支援」と「協賛」、「貧困層と僕ら」
今回のMiss Dream Contestには多くの方の協力をいただいています。本当にありがとうございます。何もわからない僕らを助けてくれた方がセブにも日本にもたくさんいて、感謝しきれないほどです。
こう思う事が常かと問われれば、容易く頷けるわけでもなかった。
いろいろな面で協力してもらい、だんだんと当たり前の感度が上がっていった。心の中では「そのくらいしてくれよ、ボランティアなんだから」とか思ってしまうことも時にはあって、完全に初心に戻ることを忘れていた。他人が手を差し伸べてくれるその奇跡への感動がどんどん薄れていっていた。一番の武器であったかもしれない僕らの「感動力」は日に日に薄れていってしまった。
海外に出て、たくさんの大人がいて、いろいろな人間がいて。その中で絶対的な武器は「貧困層の女の子並みの感動力と素直さ」でしかなかったのに、いつしか「支援慣れした目の肥えた貧困層の子」になっていた。外的要因の奇跡への感動はなくなり、その程度のことが日常になってしまった。
初心を思い出す
当日本番に流す動画を作っていた時、この企画が始まった初期の画像や動画を見ていた。その姿は初々しく、笑顔で、感動しているシーンばかりだった。編集するはずがみると止まらない。何もなかった自分たちに手を伸ばしてくれる方がそこにはたくさんいて、僕らは本当に多くの方に支えられてきたことを思い出させてくれた。
振り返れば自分が忘れていることはとても多い。初心にかえることはとても大切。でも初心にかえることを覚えておくことも大切で、この過ちを二度と繰り返さぬように生きていこうと思う。
前日にして
書けばきりのないほどたくさん学び、感じ、経験しました。いよいよMiss Dream Contestも前日です。思っていたよりも規模の大きな、そして豪華なイベントになりそうです。それは先述したとおり、多くの方のおかげなんです。心にしみこませながら、明日へ、そしてその先に向かっていこうと思います。
んじゃ!